先日、いつものように箕面の山を歩いていた時のこと。
静かな山道に、ふと「ガサガサ……」と葉擦れの音が響きました。
見上げると、少し先の木の上に1匹の猿。
「お、お猿さんおるやん。かわええなあ」と、のんきに眺めていたのも束の間。
ガサガサガサガサ……。
バサッ。ドン。
ん……?
ちょっと待って!
めっちゃ囲まれてるんやけど!!





気がつけば、ざっと10匹、いや20匹近い猿の群れに包囲されていました(というか自分が勝手に入っていっただけ)。
普段から箕面の山にはしょっちゅう登るので、1〜2匹程度ならよく見かけるのですが、ここまでの大群は初めてです。

お猿の群れのど真ん中に、丸腰の人間がひとり。
これ、一斉に襲い掛かられたらひとたまりも無いな。ふつうに怖いぞ。笑
息を潜め、「私はただの丸太です」という顔を作りながら、そっとカメラを構えました。
しかし、そんなこちらの決死の覚悟とは裏腹に、猿たちは完全なるリラックスモード。
親猿がのんびり毛づくろいをしている横で、小猿はせっせと土を掘っています。
なんなら、目の前で無防備に爆睡している子までいる始末。
「人間? ああ、おるな」くらいのテンションで、完全にこちらを空気扱いです。

そんな平和すぎる光景を見ているうちに、こちらの恐怖心もどこへやら。
気づけばそのまま約1時間。野生動物の家族の営みをすぐそばで見ることができて、なんだかすごく感動しちゃいました。
箕面の猿、実は天然記念物って知ってた?
実はこのお猿たち、「国の天然記念物」に指定されているって知っていましたか?(厳密には、猿そのものではなく「箕面山ニホンザル生息地」が対象なのですが)。
なぜ指定されたのかというと、大阪という大都市のすぐそばで、野生の猿が自然のまま群れを作って暮らしているから。
この環境そのものが、きわめて珍しく貴重なんだそうです。

実際、大阪府内にある国指定の天然記念物は、全部合わせてもたったの「6件」しかありません。その限られた6件のうちの1つが、この箕面のお猿たちというわけです!
(ちなみに、つい最近6件目として登録されたのは、お隣・豊中市の「マチカネワニの化石」)
参考資料
- 箕面山のサル生息地(文化庁)
箕面の猿はどこにいる?「いなくなった」と噂される理由
最近、「箕面の猿っていなくなったよね?」という声をよく聞きます。
調べてみると、たしかにピーク時に比べたら数は減っているものの、今でも300匹弱くらいは生息しているみたい。
じゃあなんで見かけないのかというと、理由はシンプル。「観光客のいる場所から、元の山奥に帰ったから」です。

というのもひと昔前、観光客のお弁当やお菓子に味を占めた猿たちが、ピーク時には約670匹まで激増。人里まで下りてきては我が物顔で振る舞う、かなりの「オラオラ系」だったみたいです。
そこで市が本気を出し、2010年に「エサやり禁止条例」を制定(違反すると1万円以下の罰金!)。
同時に、猿たちを山奥に引き留める地道な作戦が始まりました。
人里へ下りないよう電気柵を設置したり、バースコントロール(繁殖管理)で増えすぎを防いだり。さらに、わざと粒の小さい小麦や大豆を山奥にまいて、食べるのに時間をかけさせて足止めする、なんて工夫もしているそう。

そんな市の方々の懸命な努力の結果、猿たちは観光ルートから姿を消し、「いなくなった」ように見えるというわけです。
かつての賑わいを知る人にとっては少し寂しいかもしれませんが、本来の野生の姿に戻ったと考えれば、人間と猿、お互いにとってこれが最善の形なのでしょうね。
参考資料
- 箕面山ニホンザル保護管理委員会 会議録(箕面市)
- 大阪・箕面山のサルはどこに?(日本経済新聞)
箕面の猿って凶暴なの?
「箕面 猿」と検索すると「凶暴」なんてワードも出てきますが、個人的にはこれまで何度か遭遇してきて、「凶暴だ」とか「襲われそう」と思ったことは一度もありません。
自分は趣味の自転車などで他府県の山に入ることもあり、たまに野生の猿に遭遇するんですが……ぶっちゃけ、よそで会う猿の方がピリピリしていて威嚇してくることが多い印象です。笑
それに比べると、箕面の猿たちはだいぶ落ち着いているように感じます。
ただ、だからといって油断は禁物。
この「お互いにとって心地よい距離感」をこれからも崩さないために、もし遭遇した時は以下の基本ルールだけは守るようにしましょう。
- 絶対にエサを与えない
- 食べ物を見せびらかさない
- 近づかない
- じっと目を合わせない(威嚇と勘違いされます)
これらを意識しておけば、過剰に怖がる必要はないと思いますよ!
◇
いや~、それにしても、改めて箕面ってええところですねえ。
だって、街からすぐ近くにこんな大自然が広がっているんですよ! しかも今回紹介したお猿さんたちだけでなく、野鳥や昆虫、四季折々の植物にもたくさん出会えるわけですから。

これからもガンガン箕面の山に入りまくって、また今日みたいな面白い景色に出会っていきたいですね!





